富山県農林水産総合技術センター
水産研究所
本年のホタルイカの総漁獲量は、平年(平成28~令和7年の平均漁獲量:1,447トン)を上回ると予想される。
根拠に用いた情報
- ① 1月上旬~2月中旬におけるホタルイカの県内漁獲量(平成6~令和7年の中央値:0.2トン)は、その年の県内総漁獲量と類似した傾向があり、ホタルイカの湾内への来遊状況を反映している可能性がある。本年は、過去と比較して高位水準の0.8トンであった。
- ② 2月後半に漁業調査船「立山丸」を用いて富山湾内で実施した中層トロール調査においてホタルイカが採集されなかった場合は、その年の県内は不漁となる傾向がある。本年の調査ではホタルイカが採集されたため、一定の漁獲が見込まれる。
- ③ 漁獲前年の秋から漁期直前にかけての日本海沖合の海流データを解析すると本年は富山湾に来遊しやすい海況と推定され、過去(平成6~令和7年)と比較して高位水準が見込まれる。
- ④ 富山湾でホタルイカの漁獲が最も多くなる時期の漁場水温は11~13℃とされており、春季の気温が高く水温の上昇が速い年は漁期が短くなることが推測される。北陸地方の3~5月の平均気温と県内総漁獲量を比較したところ、平年よりも気温が高い場合には漁獲量が少なくなり、近年は気温が高く、漁期が早く終わる傾向にある。気象庁の発表では、本年の北陸地方における3~5月の平均気温は平年より高くなると予想されている。
このように本年の富山湾へのホタルイカの来遊状況は、②より不漁ではないと考えられることに加え、①、③より高位水準である一方、漁獲条件(漁期中の水温環境)は、④より漁期が早く終わると想定される。これらの指標と過去の漁獲量との関係から導き出された計算式では、本年のホタルイカの県内総漁獲は3,086トンと計算された(図1)。





