平成 29 年ホタルイカ漁況予報

富山湾のホタルイカ漁の風景

富山県農林水産総合技術センター
水産研究所

本年のホタルイカの総漁獲量は、平年(平成 19~28 年の平均漁獲量:1,855 トン)を下回る 1,300 トン程度と予測される。

根拠となった情報

  • 2 月中旬までの漁獲水準(平成 4~28 年の平均漁獲量 0.7 トンに基づいた水準)は県内 総漁獲量と類似した傾向があり、来遊状況を反映している可能性がある。本年は平均を 下回る低位水準(0.1 トン)であった。
  • 2 月下旬に実施した漁期前調査における採集個体数水準(平成 4~28 年の平均採集個体 数 16.7 個体に基づいた水準)は県内総漁獲量と類似した傾向があり、来遊状況を反映し ている可能性がある。本年は平均を下回る低位水準(2.0 個体)であった。
  • ホタルイカの漁獲最適水温は 11~13℃とされており、気温が高く水温の上昇が速い年は 漁期が短くなる可能性がある。北陸地方の 3~5 月の平均気温と県内総漁獲量を比較した ところ、平年よりも気温が高い場合には漁獲量が少なくなる傾向があった。気象庁の発 表では北陸地方の 3~5 月の平均気温は平年並みか高くなることが予想されており、ホタ ルイカの漁期が短くなる可能性がある。

以上の根拠から、本年は、富山湾へのホタルイカの来遊状況および漁獲条件があまりよ くないことが想定される。
ホタルイカの漁獲量予測モデルから本年の漁獲量を計算したところ、平年を下回る 1,300 トン程度と予測された(参考: 昨年漁獲実績 1,194 トン)。